ビジネス英語をつかう

仕事で英語をつかう

海外進出している日本のグローバル企業、外資系企業などで働いていて、日常的に英語を使う機会のある人は、どんどんビジネスの現場で英語を磨いて欲しい。英語を使う会社にいるあなたは大変恵まれている。無料で英語学校に通っているようなものだ。その環境を最大限生かすべき。今いる会社が完全にドメスティックで、英語を使える環境にない場合は、転職を考えるのもありだろう。20代であればまだポテンシャル採用で勝負できるので、英語力での実務経験がなくても日系グローバル企業、外資企業への転職を狙うことも可能だ。

一方で、周りが日常的に英語を使う環境にいても、「意識して」ビジネス英語を習得する努力をしないと、大した上達は見込めない。グローバル企業で周りにネイティブスピーカーが大勢いる恵まれた環境に何年もいても、意識して努力しない人の英語は下手なままで、筆者はそういう人をたくさんしっている。なんとも勿体無い話である。

英語には「Steal with pride」という言葉がある。文字通り、「誇りをもって盗む」ということである。自分だけで考えていても仕方がない。誰かが既に実践している良いアイデアがあれば、それを自分も使わせてもらい、よりよい成果につなげよう、という考えだ。ビジネス英語の学習でも同じことがいえる。

まず、周りにいる英語のネイティブスピーカーの中で、頭がよく、論理的で仕事のできる人を見つけよう。そしてその人の表現をとにかく「盗む」のだ。会議中は、相手の言っている言葉を頭の中で反芻し、気になる表現はメモとして残しておく。こうすることによって、あなたのビジネス英語の語彙力、表現力はどんどん伸びるはずだ。

英文メールの場合は「これは使えそう」という文章があったらラベリングしてメールボックスに保存しておく。そして自分がメールを書くときは、保存しておいたメールを「例文」として使う。特に日本人が苦手なのは、相手に何かを依頼するときだろう。日本語と同様に、英語でも相手に何かを依頼するときは、ダイレクト過ぎず、それでいて適度な押しの強さが必要なのだが、ネイティグでない人間にはこのバランスがとても難しい。そこでネイティブがメールで、緊急度や上下関係に応じてどう相手に物事を頼むのか、例文としてストックしておくとよいだろう。

そして、英語での会議の場でも、ひるむことなく積極的に攻めて欲しい。英語の会議となると、英文がスムーズに出てくるか、また相手に質問されたときの切り返しがうまくできるか、など心配になる。そんなときの心配をやわらげるために、会議の前日から頭を「英語モード」に切り替えておこう。やはり言葉というのは、常日頃から使っていないとパッとは頭から出てこないし、口も回らないものだ。例えば、筆者の場合、月曜は英語が口からスムーズ出てこない。週末の間に頭がすっかり「日本語モード」に戻ってしまっているからだ。そのため、月曜に英語で会議があるときなどは、日曜の晩にでも、簡単でいいので英語ニュースのシャドーウィングをするなどして頭を「英語モード」に切り替える。これだけでだいぶ違う。

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