ビジネス英語をあびる

英語を「あびる」教材

今の時代、ビジネス英語の活きた教材は、わざわざ購入せずともネットから無料で手に入る。下記にいくつか挙げるが、いずれも、欧米の一流のビジネスパーソンによる「活きたビジネス英語」であり、映像もしくは音声と、その英文スクリプトがインターネット上で無料で視聴、閲覧できる。

TOIECは役に立つのか?」で書いたように、TOEICなど無駄である。TOEIC対策の教材などではなく、本物のビジネス英語を身につけるためには、ここで紹介するような「活きた英語」に触れて欲しい。実際のグローバルビジネスの現場で耳にするのは、教材用に加工された「お行儀のよい」英語ではなく、こうした英語なのだから。

日本語訳がないため始めは難しいと感じるだろうが、辞書を片手にぜひ頑張って欲しい。

Huluの字幕付き映画・ドラマ
筆者は最近加入してかなり気に入っている。月定額制の動画サービスの中でHuluの英語ドラマ、映画のラインアップは一番充実している。またドキュメンタリー番組も豊富なのもうれしい。映画やドラマで英語を学習する場合のポイントは日本語字幕ではなく英語字幕でみること。日本語字幕ではなく、英語字幕で見て、意味が分からない場合は辞書で単語、熟語の意味を調べながら見ることで日常的に使われている英語の言い回しを楽しみながら効果的に学ぶことができる。2週間のお試し無料視聴もできるので気軽に試すことができる。TSUTAYAでレンタルすることを考えたら、これで月額933円は安い。

ちなみに筆者がおすすめするコンテンツは、
  • ハウス・オブ・カード 野望の階段 (House of cards):アメリカの政治の世界で繰り広げられる駆け引き、攻防を描いた大ヒットドラマ。権謀うず巻く政治の世界で使われる英語はビジネス英語としても大いに勉強になる。現時点では日本語字幕しかなく、英語字幕はついていないが、ネットで探せば英語のTranscriptもあるので参考にしながら勉強してほしい。政治関係の人間ドラマなので難しい表現も多いが、ある意味「英語ドラマの最高峰」であり、このドラマの英会話が理解できるようになれば相当な力になる。始めは理解できなくても焦らず、セリフを咀嚼しながら見てほしい。
  • Saturday Night Live:アメリカで長年続くコメディーショー。「雑談の愛会話」を身につけるにはもってこいのコンテンツ。英語字幕あり。
  • 他にも筆者が見たのはプリズンブレイク、Heros、Dr.House、グレイズアナトミーなど。どれもおすすめ。

CNN ENGLISH EXPRESS (イングリッシュ・エクスプレス)
ビジネス英語の初心〜中級者の方ににぜひおすすめしたい。筆者も英語力のベースをつくるため3年間程、毎月購読していた。CD付きで、ニュースの音声、英文、日本語訳、ニュース解説までついているのでアメリカ社会、世界のニュースをを知るのにも役立つ。CNNのキャスターはみんな早口なので始めはリスニングがつらいかもしれないが、何度も繰り返して英語力を上げて欲しい。CNNは時事ネタのニュース中心なのでビジネス関連の話題はそれほど多くないが、ビジネスをする上では、社会の一般常識を英語で理解できることは当然必要となるので、まずはCNNの内容を7割くらいは理解できるようになってほしい。

CNN Podcast
こちらは無料である。上級者向け。Podcastを使って、一日遅れくらいでCNNの番組を視聴することができる。コンテンツによっては映像は10分程度のハイライトのみ、全編は音声のみ、という場合もあるが、それでも、教材としては申し分ない。英文のスクリプトもCNNのサイト上で公開されている。CNNなので、番組は一般ニュース、政治ニュース、ビジネスニュースなど様々なものがあるが、特に政治ニュースが充実している。また一般的に、ニュースキャスターがニュース原稿を一方的に読み上げるのではなく、インタビューや討論がふんだんにに含まれており、ダイナミックで生々しい英語表現に触れることができる。

McKinsey Quarterly
McKinseyが開催したセミナーの模様、企業経営者へのインタビューなどの映像と英文スクリプトが公開されている。McKinseyのグローバルサイトからMcKinsey Quarterlyというメニューが簡単に見つかるので、そこから会員登録(無料)をすればコンテンツを閲覧することができる。McKinseyだけあって、登場する経営者のレベルが高く、またインタビューの内容も深い。最近は映像・音声コンテンツのアップデートがあまりないようであるが、それでも、過去のアーカイブは英語とビジネスを勉強する上で宝の山であることには違いない。

大学による大規模オンライン公開講座 - MOOC (Massive Online Open Courses)
最近ではインターネットでの動画配信のインフラが整ったこともあり、大学が講義をオンラインで無料提供する動きが加速している。それを総称してMOOCという。代表的なものには、ハーバード、MITが中心になって立ち上げたedx.org、スタンフォード大学が中心になって作ったCoursera.orgがある。どちらもユーザー登録することで、無料で講義を視聴できる。この仕組みとして素晴らしいのは、講義の動画を一方的に視聴するだけではなく、ディスカッション・フォーラムで他の受講生と意見を交換するなど、意欲がある人は深堀りして学習できるし、もちろん動画で講義内容だけを視聴するだけの使い方でもよい。講義の動画には英語字幕を表示することもできるので、ヒアリング、シャドーイングの教材としてもってこいである。ビジネス関連の講義も多数公開されているので、マーケティング、ファイナンスなど、自分の仕事に関係のある分野を中心に受講すれば仕事の勉強とビジネス英語の学習と一石二鳥である。

企業の決算説明会(Earnings call)
これは筆者のいち推しである。最近の米国企業は、IT系の企業を中心として、四半期毎の決算説明会を録音し、自社サイトで公開しているところが多い。決算説明会のスクリプトも、http://www.morningstar.com といったサイトが無料公開しているので、音声と合わせてスクリプトを見るとよいだろう。決算説明会のスピーカーは当然、その企業のCEOやCFOといった経営者であり、そういったビジネス界の「トップ」にいる人たちの活きた英語を学べる最高の英語教材である。また、その企業の業績、戦略も同時に学ぶことができるので、英語とビジネスの勉強の一石二鳥になる。筆者が今まで聴いた中で、ビジネス英語の勉強にもなり、かつ内容的にも面白かったものは、Google、Apple、Starbucksの決算説明会。それぞれの企業のサイトにいって、「Investors Relations」といったメニューをたどっていけば、決算説明会の音声がWebcastのような形で公開されているはずである。英文スクリプトについては上述の「Morningstar」のサイトから該当企業を検索すれば、見つけることができる。企業の決算説明会は始めの30分くらいがCEOやCFOによる決算説明、残りの30分は投資銀行のアナリスト達との質疑応答、という構成が一般的である。

TED
英語でのプレゼンテーションを勉強するには最高の教材である。TEDという世界最高峰のイベントでのプレゼンテーションとなるので、どのプレゼンターも気合の入りようがすごい。練りに練ったストーリ構成、人の心を揺さぶる話し方など大いに勉強になる。TEDのサイトで、各プレゼンテーションの動画と、キャプションで各言語のスクリプトも一緒に見ることができ、とても親切である。

ここでは筆者が試して英語力向上に役立ったコンテンツを紹介したが、この他にもまだまだ、無料で使えるビジネス英語の教材はあるはずである。ビジネス英語上達の一つの秘訣は、自分の仕事に関連した分野の生の英語に触れることであるから、自分に合った教材を探して、それをやり倒して欲しい。自分に興味の持てる分野、というのが飽きずに学習するための鍵である。次ページでは、これらの教材を使ってどう学習するか説明する。

アメリカ大統領選の討論会(ディベート)
英語での主張の展開、相手への攻撃、反論方法など、アメリカ大統領選の討論会は、活きた英語教材としては最高レベルである。YouTubeに動画が、またスクリプトもインターネットで公開されている。一回の討論会は90分と長いが、英語学習だけでなく現代のアメリカ社会を理解する上でも大変有益なのでぜひ見ることをおすすめする。詳しくはこちらの「アメリカ大統領選の討論会」で述べる。

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