ビジネス英語をあびる

量をこなすことが必要

前の章では、「おぼえる」と題して、体系的にビジネス英会話のパターン、用語、イディオムの学習方法を書いた。これらを「質」としたら、加えて「量」をこなすことも必要である。

かりに分厚い英文法の教科書と英単語の辞書を丸暗記できたとしても、それだけでは英会話の実戦では使えない。言われたことを瞬時に理解し、考えずとも自然と英語が口をついて出てこなければ、いくら英文法や単語を知っていても実戦では使い物にならない。

実戦で使えるまでになるには、生の英語に大量に触れ、頭に英語を染みこませることが必要なのだ。これは子供が言葉を学ぶ過程を考えればわかる。子供は、親や先生から「このときはこう言うんだよ」と教わるのと同時に、膨大な量の言葉を「あびる」ことで言葉を覚えていく。大人が英語を学ぶ場合も同じで、英会話のパターンを覚えるのと同時に、膨大な量のビジネス英語を「あびる」て、頭にパターンを染みこませることが必要なのだ。

最終的には、リスニングであれば、頭の中で日本語に訳さずとも英語のまま意味を理解すること、スピーキングであれば、日本語から英語に訳してから話すのではなく、そのまま英語で反射的に口が動くようにならなければいけない。英会話をするのに、いちいち、頭の中で日本語を介していたのではスピーディに会話することは不可能であり、ビジネスの実戦では役に立たない。

そのため、英語を「あびる」ときにも、日本語を一切介在させないことが重要である。とにかく、膨大な量の生のビジネス英語にそのまま触れ、頭に染みこませるのである。

ただ、子供と違って、我々ビジネスパーソンが英語の学習に使える時間は非常に限られており、悠長に学ぶ余裕はない。そのため、学習効果の高い、質の高いビジネス英語の教材を見つけることが必要となる。教材については別ページで説明する。

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